今朝、コーヒーすすりながらトースをかじっていると、FMラジオから「湯の町エレジー」の曲が流れた。曲に乗って声をだして歌った。男の初恋の切なさが胸に迫る。
古びた温泉街を初恋の女を慕って月明かりの中をギター弾きの男がとぼとぼ歩く。「湯の町エレジー」の歌詞の一節は:
「伊豆の山々 月淡く
灯りにむせぶ、湯の煙
ああ 初恋の
君を尋ねて 今宵また
ギターつまびく 旅の鳥」
風の便りに聞く君は、出湯の街の人の妻。あっても語れない思い。ああ、忘れられぬ。夢を慕いて散る涙。今宵ギターもむせび泣く。
男ならきっと経験したことでしょう。男の初恋は純粋でいちずだ。初恋の彼女は天の星のように輝き、手を伸ばしてつかみたいと憧れる。この世に1人しかいない女性と惚れこむ。その粋な心情が男の初恋ではないでしょうか。
初恋ははかなく終わることもある。だがその思い出は老いても消えない。萎びた老人の心を青春に引きもどしてくれる。今朝、「湯の町エレジー」を聞いてひと時の間、青春時代に戻った。初恋は老後を回春する宝石だ。
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